脇ボトックス

脇ボトックス

脇ボトックスは、脇にボツリヌス・トキシンを注射することで、汗の分泌に関わるアセチルコリンをブロックし、多汗症を改善する施術です。治療のメカニズムへの理解を深めるために、まずは脇汗をかくメカニズムから解説します。

脇の下には、汗を分泌する「汗腺(かんせん)」が多数存在します。脇に存在する神経細胞が活性化することでアセチルコリンという物質が放出されると、汗腺の1つ「エクリン腺」が刺激され、汗が分泌されるのです。

多汗症の人はエクリン腺の量が多くて大量に汗をかき、日常生活に支障をきたす場合もあります。脇ボトックスは、神経細胞の働きを阻害することで、間接的に脇汗の量を抑える施術です。

脇ボトックスの注入部位

脇ボトックスでは、脇の神経終末に存在するアセチルコリンの放出を抑えることで、過剰な汗の分泌を抑えます。脇の適切な位置に注入することで、多汗症の改善が期待できます。顔のボトックスのように、他の箇所への注入と組み合わせる必要はありません。

なお、わきがの原因となるのは、もう1つの汗腺の「アポクリン腺」から出る汗です。エクリン腺から出る汗はほぼ無臭ですが、湿度が高くなることで雑菌が増殖しやすくなり、結果的に臭いの原因になります。

また、アポクリン腺から出た汗の臭いを周囲に広げてしまいます。そのため、脇ボトックスでエクリン腺から出る汗を抑えると、わきがの臭いも軽減することがあるのです。

脇ボトックスのメリット

◆メリットその1:極細の針を使用するため痛みが少ない

多汗症の治療と言えば、レーザーやメスを使った治療が挙げられます。これらは脇ボトックスと比べて痛みが強いため、なるべく受けたくないという方が少なくありません。脇ボトックスは注射箇所が多いものの、1回の注射の痛みは少なくなっています。

また、当院では注射の痛みを抑えるために、極細の針を使用するとともに、施術箇所をアイシングしております。

◆メリットその2:多汗症の症状を軽減できる

多汗症の問題点は、その大量にかく汗にあります。汗が服ににじむことで不潔な印象を与えたり、暑苦しいイメージを持たれたりするケースが少なくありません。多汗症がコンプレックスになり、人前に出ることに苦手意識を持つようになったり、自信を失ったりする方もいます。脇ボトックスで多汗症の症状を抑えることで、これらの悩みが解消される可能性があります。

◆メリットその3:施術時間が短いため手軽に受けることができる

脇ボトックスの施術時間は10分程度で、カウンセリングを含めても30分~1時間程度で終わります。忙しい方でも手軽に受けていただけるでしょう。

◆メリットその4:ダウンタイムがほとんどない

脇ボトックスにはダウンタイムがほとんどありません。注射部位の赤みや軽い腫れ、内出血など、軽度な症状は現れる可能性があります。これらの症状は仕事や生活に影響がないため、施術を諦めることもないでしょう。

脇ボトックスのデメリット

◆デメリットその1:効果の維持には定期的な施術が必要

脇ボトックスの効果の持続期間は数ヶ月~半年程度です。その後は効果が少しずつ弱まっていくため、効果を維持したい場合は定期的に治療を受ける必要があります。なお、繰り返し治療を受けることで効果の持続期間が長くなります。

◆デメリットその2:医師の技術や経験が治療結果に影響を与える

脇ボトックスが失敗する可能性は低いものの、医師の技術や経験が治療結果に影響を与えます。そのため、施術を受けたのに効果を実感できない、効果がかなり低くて受けて意味がないと感じるなど、トラブルにつながる場合があります。

技術や経験に問題がなく、信頼できる医師の施術を受けることが大切です。

◆デメリットその3:多少の副作用がみられることがある

脇ボトックスは副作用が起こりにくいものの、次のような副作用がみられることがあります。

  • 内出血……血管に針が当たった場合に起きる可能性があり、1~2週間程度で治まります。
  • 腫れ・赤み……注射部位に現れる症状で、1~2日程度で治まります。
  • 筋肉痛のような痛み……一時的な症状のため心配はありません。

◆デメリットその4:重度のわきがの臭いを完全には消せない

脇ボトックスによって脇汗は抑制できるものの、汗腺そのものを取り除くわけではないため、重度のわきがでは臭いが完全には消えません。ただし、エクリン腺から出た汗がアポクリン腺から出た汗の臭いを周囲に広げることは防げるため、以前よりも臭いが少なくなります。

◆デメリットその5:注射回数が多い

脇ボトックスは、片脇につき50箇所ほど注射するため、何度もチクチクと刺すことに不快感を覚える方もいるでしょう。当院では、極細の針とアイシングで注射の痛みを軽減しております。

◆デメリットその6:即効性が低い

脇ボトックスの効果が現れるまでには数日~2週間ほどかかります。すぐに効果が現れるわけではないことを踏まえ、施術日を決めましょう。

脇ボトックスの施術の流れ

①カウンセリング
患者さまのお悩みをお伺いするとともに、注射箇所をマーキングしていきます。
②施術
アイシングで痛みを感じにくくしたうえで、極細の針でボトックスを注射します。
③術後
ボトックスは熱に弱いため、施術後2~3日はサウナや長風呂、レーザー脱毛などは避けてください。シャワーは当日から可能です。

ボトックス注射についてのよくある質問

脇ボトックスの効果はどれくらい持続しますか?
脇ボトックスの効果は、数ヶ月~半年程度持続し、その後は効果が少しずつ弱まっていきます。効果を維持したい場合は定期的に施術を受けることをおすすめします。
2回目の脇ボトックスまでどれぐらいの期間を空ければいいですか?
1ヶ月程度の間隔を空けることで2回目を受けていただけます。

ボトックスにおける注意点

脇ボトックスの後は身体を温める長風呂やサウナ、激しい運動などは避けてください。内出血や効果の低下などが起きる可能性があります。メイクや入浴は施術当日から可能ですが、施術箇所にお湯をかける場合は軽く流す程度にしましょう。

また、施術箇所をもんだりこすったりもしないようにしてください。

以下に該当する方は脇ボトックスを受けていただけないため、必ず医師にお伝えください。

  • 抗生物質、筋弛緩剤、精神安定剤などを服用している
  • 他院でボツリヌス製剤の治療を受けている
  • 妊娠の予定、可能性がある、妊娠中、授乳中である
  • 慢性的な呼吸器疾患や閉塞隅角緑内障の症状がある
  • 筋萎縮性側索硬化症[ALS]、重症筋無力症、ランバード・イートン症候群など、全身性の筋肉の疾患がある
  • 妊娠する可能性がある場合は、投与中および最終投与後2回の月経が終わるまでは避妊する(妊娠中の投与における安全性が確立していないため)
  • 男性は、投与中および最終投与後から3ヵ月は避妊する(精子形成期間への投与を避けるため)

脇ボトックスにかかる費用

ボツリヌス治療

ボトックスビスタ
両脇
  • ※)120,000円
  • ※)通常量(100単位)の料金です
Author-masato_kinoshita

著者:木下将人

総院長

専門医
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会専門医(JSAPS:Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery)
日本美容外科学会専門医(JSAS:Japan Society of Aesthetic Surgery)
所属学会
日本形成外科学会
日本美容外科学会(JSAPS)
日本美容外科学会(JSAS)
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本外科学会

脇ボトックス以外のボトックスの施術一覧

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神戸院

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