眼瞼下垂

眼瞼下垂の施術とは?

眼瞼下垂(読み方:がんけんかすい、英語:Ptosis)とは、上まぶたの動きをつかさどる「眼瞼挙筋」と呼ばれる筋肉の機能不全によって、目が開きにくくなったり、まぶたのたるみの原因になったり、頭痛や肩こりといった別の症状も引き起こすなど、様々な症状をもたらす病気です。

症例

眼瞼下垂の治療
眼瞼下垂の症例写真1
眼瞼下垂の症例写真2
施術について

両側眼瞼下垂症の診断で挙筋前転術を行いました。

術者からのコメント
masato_kinoshita

右>左でMRD1が悪く症状もあり、両側眼瞼下垂症の診断で挙筋前転術を行いました。 上眼瞼の陥凹も可能な範囲で軽減する操作をしています。
機能的改善は原則ですが、「形成外科=きれいな仕上がり」というイメージがあると思います。 保険診療だからといって仕上げに妥協はしません。

挙筋前転術は眼瞼下垂に対する手術です。眼瞼下垂症に対する治療、機能改善目的での手術です。

・目力を出したいけど、大きく印象の変化は困る
・まぶたが重くてつらいので改善したい
・目を開きにくく感じる
・黒目の見える面積が小さい
・天井を見ると額にシワが入る
・夕方になると目が開きにくい
・年齢と共に悪化している気がする
・目の開きに左右差がある
・上まぶたがくぼむ 
などが手術の目的です。

形成外科はきれいに治す事が前提ですので、保険診療、自由診療に関わらず、仕上がりはきれいになるよう手術を行います。


術者:総院長 木下将人

合併症

左右左、腫れ、出血、痛み、傷あと、ドライアイ、印象の変化、等

施術の総額費用

保険診療の自己負担分(3割負担で両側約¥50,000)

治療院

しらさぎ形成クリニック徳島院

瞼の構造と筋肉の動き

瞼は主に皮膚、筋肉、脂肪、結合組織から成り立っています。また、瞼を持ち上げる動きには大きく3つの構造物が関わってきます。
下記の図を元に説明していきます。

上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)

(1)上眼瞼挙筋は、上瞼の後ろに位置する筋肉で、瞼を開く主要な筋肉です。この筋肉は眼窩と呼ばれる部位の上部から始まり、瞼の下側に向かって延びています。(1)上眼瞼挙筋が収縮することで、瞼が上向きに引き上げられ、目が開きます。この筋肉の機能不全は、眼瞼下垂の一般的な原因となります。

瞼板(けんばん)

(2)瞼板は、上瞼と下瞼に存在する軟骨のような結合組織の板です。この(2)瞼板は瞼の形状を維持する役割を持ち、瞼の開閉に重要な構造的基盤を提供します。(2)瞼板は瞼の安定性と強度を高めるため、瞼の筋肉が適切に機能するための支えとして機能します。

挙筋腱膜(きょきんけんまく)

(3)挙筋腱膜は、(1)上眼瞼挙筋の末端部にある薄いが強靭な膜状の構造です。この腱膜は(1)上眼瞼挙筋と(2)瞼板を連結し、筋肉の収縮力を(2)瞼板に伝えます。

これら3つの構造物の協調した動きによって、瞼はスムーズに開くことができます。
①(1)上眼瞼挙筋が収縮

②(3)挙筋腱膜も上に引き上げられる

③反対側に連結されている(2)瞼板もつられて引き上げられる

上記のような連動によって、効率よく瞼が持ち上げられ目が開くというプロセスが行われます。このメカニズムは、視覚的な情報の受け入れや眼球の保護に重要な役割を果たしています。
主に(1)上眼瞼挙筋の機能不全が原因でこれらの運動が正常に行われず、瞼が開ききらなかったり瞼にたるみが生じる現象が眼瞼下垂という症状です。

眼瞼下垂の原因は?

前章では、眼瞼下垂は主に(1)上眼瞼挙筋やその神経の機能不全により発生すると説明しました。

これにより瞼が正常な位置よりも低く垂れ下がったり、瞼のたるみや肩こりなどの症状が出る時もあります。

では、なぜ(1)上眼瞼挙筋やその神経が正常に働かなくなってしまうのでしょうか。
原因は多岐にわたりますが、大きく分けて以下の3種類があり、いずれも治療が可能です。

先天的原因(先天性眼瞼下垂)

眼瞼下垂には、生まれつきの赤ちゃんや子供の頃から発症する「先天性眼瞼下垂」というものがあります。
生まれつき上眼瞼挙筋の発達が不十分な場合、幼少期に眼瞼下垂が発生することがあります。

加齢による変化(後天性眼瞼下垂)

10代〜20代の若者だけでなく、パソコン仕事などの多い働き盛りの30代〜50代のまぶたのたるみ、80代前後の老化などによっても発症する「後天性眼瞼下垂」。加齢により筋肉や結合組織が弱くなることで、眼瞼下垂が生じることがあります。

神経障害、外傷や手術の影響(偽性下垂)

眼瞼下垂に似た症状をもたらす「偽性下垂」というものも存在します。
神経障害や筋疾患が(1)上眼瞼挙筋やその神経を損傷したり、目や瞼に対する外傷や手術が原因で、眼瞼下垂に似た症状を引き起こすことがあります。

眼瞼下垂の詳しい分類は以下を参照してください。

眼瞼下垂の分類

  • ①先天性
  • ②後天性
    ・神経原性ー動眼神経麻痺、脳腫瘍など
    ・神経筋接合部性ーボトックス注射後、重症筋無力症など
    ・筋原性ージストロフィーなど
    ・腱膜性
    ・外傷性ー裂傷、眼窩底骨折など
    ・機械性ーまぶたの瘢痕、眼瞼腫瘍など
  • ③偽下垂
    ・眼瞼皮膚弛緩症
    ・無眼球

しらさぎ形成クリニックでは、こんなお悩みの方が眼瞼下垂の施術を受けています

眼瞼下垂の自覚症状がある方

  • ・眼瞼下垂の病気の症状を改善・解消したい
  • ・眼瞼下垂の症状が片目だけに出ている
  • ・眼瞼下垂のために眼を開けるとおでこにしわが出る

眼瞼下垂の可能性のある方

  • ・まぶたが下がって黒目が隠れてしまう
  • ・まぶたのたるみで上のものが見づらい
  • ・まぶたのたるみをなくす施術を受けたい
  • ・まぶたのたるみをリフトアップしたい

痩せたことで眼瞼下垂の症状が出た方

  • ・痩せたら眼瞼下垂の症状が出るようになった
  • ・ダイエットなどでは解消できないまぶたのたるみがある

こんな方は要注意!眼瞼下垂のチェックリスト

まぶたのたるみなどの症状は、実は眼瞼下垂かもしれません。以下に、症状をチェックするためのリストを用意しましたので、眼瞼下垂気味かどうか、症状に影響はあるか、それとも眼瞼下垂ではないかなどを判断する一助としてご利用ください。

  • 頭痛や肩こりの症状が続いている
  • コンタクトレンズを昔から使用している
  • ドライアイの症状が気になっている
  • 花粉症などで、目をよく擦る
  • 上を見ると、おでこにしわが寄る
  • 正面を見るときに顎を突き出す癖がある
  • 文字が見づらく、集中できない
  • 複視の症状に悩まされている
  • 視野が狭く、自動車運転時に信号を見づらい
  • うつ症状のような状態が続いている

しらさぎ形成クリニックの眼瞼下垂の施術

眼瞼下垂について、当院では以下の3つの治療方法を実施しています。

治療方法1:眼瞼挙筋前転法(眼瞼挙筋短縮術)

「挙筋前転法(眼瞼挙筋短縮術)」は、眼瞼下垂であると病院にて診断された患者様に、最初に推奨する手術方法です。この手術方法は、切開してまぶたと筋肉を糸で結びつけ、まぶたを持ち上げる力の改善を図るもので、眼瞼下垂を治すには有効な治療方法となっています。信州大学病院形成外科の松尾教授が提唱した施術であるため、「松尾式」とも呼ばれます。

以下で、具体的な施術の流れを説明します。

まず、正常なまぶたの状態では、 まぶたを開けるための筋肉である「上眼瞼挙筋」と、まつげ付近にある「瞼板」との間が開いておらず、筋肉の力が瞼板にしっかりと伝わるようになっているので、問題なくまぶたを開くことができます。

しかしながら、「腱膜性眼瞼下垂」の病気の症状が出ると、上眼瞼挙筋と瞼板の間に距離ができて離れてしまい、力が伝わりにくくなるため、まぶたのたるみが発生したり、開きにくくなったりするのです。

そこで有効な眼瞼下垂の治し方が、挙筋前転法(眼瞼挙筋短縮術)です。

まぶたの傷跡が目立ちにくい位置を決めて切開を行い、上眼瞼挙筋と瞼板を縫合して結びつけ、まぶたを開ける力を取り戻します。なお、皮膚や挙筋の余り部分が多い際には、切除が必要になる場合があります。

治療方法2:筋膜移植法

生まれながらにして「先天性眼瞼下垂」を発症し、上眼瞼挙筋の機能が著しく弱かったり、そもそもなかったりするために力が入りにくい場合には、「筋膜移植法」というオペで治療を行います。

筋膜移植法では、すでに機能していない上眼瞼挙筋の代わりに、麻痺していない前頭筋と瞼板を手術によって固定して利用することで、まぶたを開けやすくします。また、目を開けるのを邪魔する靭帯や脂肪組織などがある場合には、それらを切除する例もあります。

治療方法3:眼瞼下垂埋没法

眼瞼下垂埋没法は、糸を用いた切らない施術方法であり、皮膚やまぶたのたるみなど、腱膜性眼瞼下垂の症状が軽度である場合に適応できる、プチ整形も兼ねた整形手術です。

眼瞼下垂埋没法では、 皮膚の表面と瞼板、上眼瞼挙筋を切らずに糸で縫縮することで、眼瞼挙筋前転法と同様の効果を生み出すものです。

切らない施術であるため、術後の腫れ・内出血などのダウンタイムも短く、まぶたのたるみの改善・解消が期待できるほか、眼瞼下垂の治療以外に、目頭切開や全切開などと併せて二重まぶた形成にも応用することが可能となります。

ただし、極細糸を使用するため、切開による眼瞼下垂の治し方に比べて、稀に元に戻る場合があったり、目の左右で仕上がりに差が出たりする可能性があります。また、眼瞼下垂埋没法は保険適応ができないため、施術費用は自費負担となります。

木下院長が動画で解説

眼瞼下垂の施術の流れ

①カウンセリング
医師のカウンセリングによって、眼瞼下垂を発症しているのかどうかを詳しく診断します。その上で、どの治療方法がベストなのかシミュレーションし、適切な眼瞼下垂の治し方をご提案します。
②施術・検査
点眼麻酔・局部麻酔などの各種麻酔を行ったうえで、眼瞼下垂の施術(挙筋前転法、筋膜移植法、眼瞼下垂埋没法のいずれか)を行います。
③術後・経過観察
施術が完了したら、術後のダウンタイムの経過観察となります。術式に応じて、5日〜7日後に抜糸を行います。

眼瞼下垂についてのよくある質問

一度手術をしても、元に戻ることはありませんか?
眼瞼下垂は老化によっても発症するため、術後も少しずつ進行していきます。ただし、手術によって瞼板と筋肉を結びつけるので、進行は大幅に遅れます。なお、眼瞼下垂埋没法の場合は、稀に糸が外れて元に戻る場合があります。
術後の腫れや痛み、ダウンタイムなどは長引きますか?
切開する施術の場合、2週間程度でダウンタイムの症状は落ち着き、1ヶ月程度で腫れなどのほとんどの症状は引いていきます。(※個人差があります)
傷跡は残りませんか?
二重のラインしばらく赤く目立ちますが、一ヶ月程度であまり目立たなくなります。
眼瞼下垂かどうか、わからなくても受診できますか?
ご自分で眼瞼下垂かどうか判断するのは困難なことです。気になる症状があれば、まずはお気軽に当院までご相談ください。

眼瞼下垂の施術における注意点

術後は安静にしていただき、目への刺激は極力避けていただくようにお願いいたします。眼瞼下垂の手術の術式にもよりますが、術後に眼帯をつけた場合には翌日までは外さないようにしてください。帰宅後に目に痛みを感じた場合には、こすったり、触ったりせずに痛み止めを飲んでいただき、痛みが治まらない際は当院までご相談ください。

項目 詳細
施術時間 60分
効果の持続期間 老化の個人差はありますが、5年以上
術後の通院 5〜7日後に抜糸
術後の腫れ・ダウンタイム 約2週間の腫れと内出血
傷の赤みは数ヶ月ですが化粧で隠れます
カウンセリング当日の治療 可能
麻酔 局所麻酔、静脈麻酔など
シャワー、入浴 当日よりシャワー可
入浴は翌日から
洗顔 当日より可能
メイク 目元以外は当日から可能
創部のアイメイクは術後3日目から
料金 診断や症状により保険適用が可能な場合あり

眼瞼下垂の施術料金表

上まぶた

手術
眼瞼下垂症の治療
  • 埋没式挙筋前転術
    180,000円
  • 部分切開式挙筋前転術
    330,000円
  • 全切開式挙筋前転術
    380,000円
  • 全切開式挙筋前転術+
    皮膚切除
    440,000円
  • 保険手術
    自己負担のみ
Author-masato_kinoshita

著者:木下将人

総院長

専門医
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会専門医(JSAPS:Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery)
日本美容外科学会専門医(JSAS:Japan Society of Aesthetic Surgery)
所属学会
日本形成外科学会
日本美容外科学会(JSAPS)
日本美容外科学会(JSAS)
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本外科学会

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休診日:木、日・祝

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JR鳴門線「徳島駅」から眉山方面に進み、新町橋を渡ります。
左手に見える10階建てのビルが当院の入っているビルです。

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診療時間

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休診日:木、日・祝

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