腋臭(ワキガ)・多汗症

ワキボトックス注射とは?

ワキボトックス注射は多汗症・ワキガ治療の方法として、美容クリニックやワキ汗外来などの医療現場で使用されています。
ワキ汗が多く出る症状を「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」と呼びます。この病気に悩まされる人は、日本人の全体の約10%とも言われており、頻繁にみられる症状でもあります。

ワキの下は緊張やストレスといった精神面の影響を受けやすい部位で、中には精神的に緊迫した状況になるとワキ汗が止まらず、汗ジミを気にするあまり、症状がさらに悪化する患者様もいます。ワキの下は汗腺そのものも多い部位であるため、精神面以外にも気温の上昇や温熱刺激などの身体的な反応でも発汗が促されます。
これらの理由から、ワキの下は汗をかきやすく、汗ジミ・臭いなどが気になりやすい箇所なのです。

ワキボトックス注射は、このようなワキの下の多汗症・ワキガに関するお悩みを解決するための手術です。ワキボトックス注射を直接注入することによって、ワキの下で発生する神経伝達物質の発汗信号をボツリヌス菌によってつくられたボトックス注射薬の作用によって阻害し、過剰な発汗症状を抑える効果を期待することができます。

しらさぎ形成クリニックでは、こんなお悩みの方がワキボトックス注射を受けています。

  • ワキ汗が多く、汗ジミが目立って気になる。
  • ワキから腕に汗が垂れてくるのでタオルを手放せない。
  • 夏場はシャツを1日に何度も替えないといけない。
  • ワキ汗からくるワキの臭いがコンプレックス。
  • 切開手術を受ける多汗症・ワキガ治療は避けたい。
  • ダウンタイムの少ない多汗症・ワキガ治療を望んでいる。

しらさぎ形成クリニックのワキボトックス注射

当院では、患者様への身体の負担が少ない「切らない」多汗症・ワキガ治療の方法として、ワキボトックス注射をおすすめしています。重度のワキ汗でお悩みの患者様に高い効果が期待できる手術で、お身体への負担や手術時間も最小限で済むため、安心して手術をお受けいただけます。

◆特徴その1:注射によるワキの下の「切らない」多汗症・ワキガ治療だから体への負担が軽い

多汗症の原因となる汗腺はエクリン汗腺と呼ばれ、ワキの下を切開することによって、このエクリン汗腺を直接除去する手術方法があります。しかしながら、切開による手術ではエクリン汗腺が皮膚の浅い部分に存在するため、ワキの皮膚に与えるダメージも大きくダウンタイムも長いのがデメリットでした。

その点、ワキボトックス注射であれば注射によって薬剤をワキの下に注入するのみの「切らない」多汗症・ワキガ治療が可能です。メスを使用しないので、手術による長いダウンタイムをできるだけ避けたいという患者様にはおすすめの治療方法だといえます。

◆特徴その2:ワキ汗の原因(アセチルコリン)を4〜6ヶ月ほど阻害する効果が期待できる

気になるワキ汗の症状は、アセチルコリンと呼ばれる神経伝達物質が汗腺を刺激することを原因として発症します。神経筋接合部における神経終末内でのアセチルコリン放出抑制により神経筋伝達を阻害し、筋弛緩作用を示します。

エクリン汗腺は主にコリン作動性神経により調節されていることから、ボトックスはコリン作動性神経および汗腺の接合部において、神経終末内でのアセチルコリン放出抑制により神経伝達を阻害し、発汗を抑制すると考えられています。

ボトックスの成分(軽鎖)は酵素として働き、神経伝達物質であるアセチルコリンの放出に関与するSNAP-25という蛋白を切断することで、アセチルコリンの放出を阻害します。これによって神経伝達が遮断されます。

なお、ワキボトックス注射の効果は個人差がありますが4〜6ヶ月ほど効果が持続しますので、夏前にボトックス注射を受けておけば、もっとも汗をかきやすくなる真夏〜秋口までの温暖な季節を快適に過ごすことができます。

◆特徴その3:手術にかかる時間はわずか15分程度なので忙しい患者様でも安心

ワキボトックス注射は身体に負担が少ない多汗症・ワキガ治療ですが、手術にかかる時間も非常に短いのが特徴です。薬剤をワキの下に注入するのみであるため、手術時間はわずか15分前後となっています(※ただし、注入前にワキの下に麻酔クリームを別途処方するため、この処置に20分ほどかかります)。

カウンセリングなどを含めても1時間前後で帰宅することができるので、忙しく働いている患者様や家事や育児などでお忙しい主婦の患者様なども、安心して治療をお受けいただくことができます。

治療の流れ

①カウンセリング
カウンセリングでワキの下の多汗症・ワキガ症状の程度を確認いたします。この時、ワキの下の汗の量の抑制よりも、汗の臭いそのものを抑える治療をご希望の場合には別の治療方法(ワキガ専門治療)をご提案する場合がございます。ワキボトックス注射は、多汗症および発汗による臭いへの効果が期待できる手術となっております。
②麻酔・マーキング
どの部位にワキボトックス注射を注入するのかを決定し、注入予定の部位にマーキングを行います。局所麻酔とボトックス注射を併用します。マーキングした部位にワキボトックス注射を行います。なお、薬剤の注入箇所については、20〜30箇所ほどに投与することになります。(100単位の場合)
③術後
手術が完了したら当日に帰宅いただくことができます。多汗症・ワキガ症状の抑制効果については、個人差があるものの、2〜3日後から現れてきます。

ワキボトックス注射についてのよくある質問

ワキボトックス注射に痛みはありませんか?
当院では先に局所麻酔薬の注射を行います。最初の数か所は痛みを感じますがその効果はすぐに現れます。ボトックス注射では痛みを感じることがほとんどありません。ただし、痛みの感じ方には個人差がありますので、不安がある場合にはカウンセリングの際に医師までお申し付けいただければ配慮のうえで注射を行います。
ワキボトックス注射には、健康保険の適応はできないのでしょうか?
当院では保険適応ではないボトックス(アラガン社製ボトックスビスタ)を使用しているため、適応になりません。
ワキボトックス注射は、定期的な手術が必要なのでしょうか?
効果の持続期間は個人差があるものの4〜6ヶ月程度であるため、多汗症・ワキガ症状を年中抑制したい場合には年1〜2回の感覚で治療を継続するのが望ましいでしょう。夏前に手術を受けておけば、もっとも汗をかきやすい季節を乗り切ることができます。

ワキボトックス注射における注意点

ワキボトックス注射の手術後当日は飲酒や激しい運動、注射をしたワキの下の部位へのマッサージなどはお控えいただいております。また、ワキボトックス注射は次のような症状をお持ちの患者様には行うことができませんのでご了承ください。

  • 「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦」への投与は禁忌です。妊婦、授乳婦に対する安全性は確立していません。添付文書の使用上の注意には以下のように記載されています。
    「妊娠する可能性のある婦人は、投与中及び最終投与後2回の月経を経るまでは避妊する。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕」
    「男性は、投与中及び最終投与後少なくとも3ヵ月は避妊する。〔精子形成期間に投与されることを避けるため。〕」
  • ワキボトックス注射の成分に対して、過去に発疹などのアレルギー症状を起こしたことのある患者様
  • 重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮性側索硬化症など、全身性の筋肉低下の症状が出る病気に罹患されている患者様
手術時間 15分程度
ダウンタイム 術後に注入部分の発赤、腫れ、痛み、ツッパリ感、熱感、硬結などが生じることがあります。
ただし、ダウンタイム・副作用の発症については個人差があり、数日で症状は改善されていきます。
抜糸の有無 無し

ワキボトックスの料金

ボツリヌス治療

ボトックスビスタ
両脇
  • ※ 120,000円
  • ※通常量(100単位)の料金です
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著者:木下将人

総院長

専門医
日本形成外科学会専門医
日本美容外科学会専門医(JSAPS:Japan Society of Aesthetic Plastic Surgery)
日本美容外科学会専門医(JSAS:Japan Society of Aesthetic Surgery)
所属学会
日本形成外科学会
日本美容外科学会(JSAPS)
日本美容外科学会(JSAS)
日本頭蓋顎顔面外科学会
日本外科学会

予約・お問い合わせ

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